犬の噛み合わせに問題あり?知っておきたい原因と解決策

こーくん
こーくん

「愛犬の歯並びが悪いな…」そう感じた場合には、治療が必要なケースもあるのはご存知ですか?

今回は、こんな疑問にお答えします。

この記事でわかること

  • 犬の噛み合わせについて
  • 犬の歯並びについて
  • 犬の噛み合わせや歯並びの問題の原因や対処法

などをお伝えしています。

愛犬の噛み合わせについて理解し、しっかり対策をしたい!という飼い主さんは、ぜひ読んでみてくださいね。

※当ページの情報は執筆時点のものであり、最新の情報は各サービスの公式サイトよりご確認ください。
※当ページのリンクには、広告が含まれる場合があります。

愛犬の歯並びが悪い?犬の噛み合わせの種類について

人でも、歯並びが悪く、噛み合わせがあまりよくない方がいらっしゃるように、ワンちゃんでも歯がうまく嚙み合わないケースがあります。

噛み合わせがうまくいかないことを『不正咬合』といいます。

不正咬合には、顎の長さの異常による骨格性不正咬合と、歯列のなかの一部分だけが異常を起こして発生する歯性不正咬合があります。

犬の本来の噛み合わせについては、口を閉じた状態において、下記の状態のことを指します。

通常の状態

  • 上顎の前歯にあたる切歯は、下顎の切歯をわずかに覆っている
  • 下顎の犬歯の後ろに上顎の犬歯がある
  • 上顎の前臼歯は、下顎の前臼歯の間にジグザグに入り込む

この状態はシザーズバイト(鋏状咬合)と呼ばれ、犬にとっては理想の噛み合わせとなります。

こーくん
こーくん

子犬においては、顎が成長段階であるがゆえ、歯列が整っていないケースもありますが、成長に合わせて改善することも多いですね。

以下では、犬でよくある噛み合わせの種類について、分けてお伝えしていきます。

アンダーショット

アンダーショットとは、いわゆる受け口のことです。

下顎が、上顎よりも前に出た状態です。

アンダーショットが正常の状態(スタンダード)の犬種

  • フレンチブルドッグ
  • ボストンテリア
  • ブルドッグ
  • ペキニーズ

といった短頭種では、アンダーショットが正常の状態(スタンダード)となります。

こーくん
こーくん

トイプードルやシーズーなどの犬種でも見られることがありますよ。

オーバーショット

オーバーショットは、アンダーショットの逆であり、上顎が下顎よりも前に出ている状態です。いわゆる出っ歯の状態です。

オーバーショットでは、下顎の歯が上顎を傷つけてしまうケースもあります。

クロスバイト

クロスバイトは、子犬のときの乳歯の生え代わりがうまくいかず、二重に生えたり、本来生える場所ではないところに生えてしまった状態です。

レベルバイト

レベルバイトとは、上下の前歯同士がずれることなく噛み合っている状態です。

水平咬合、切端咬合ともいいます。

犬の噛み合わせが悪い原因は何か?

犬において、噛み合わせが悪くなってしまう原因としては、遺伝やケガ、乳歯が残ってしまっていること(乳歯遺残)などがあります。

顎の長さは、遺伝により決まっているところが多いです。そのため、親が不正咬合である場合には、その子犬もそうである可能性が高いです。

不正咬合を生じないようにするためには、適切な繁殖をする必要があります。

一般的に、乳歯の生え代わり時期としては、

  • 切歯:3~4カ月齢
  • 犬歯:4~6カ月齢
  • 前臼歯:4~6カ月齢
  • 後臼歯:5~7カ月齢

となっています。

永久歯が出てくる時期が近づくと、永久歯は乳歯の歯根を吸収しながら押し出すように生えてきます。

\POINT/ ただ、小型犬では乳歯がうまく抜けずに、永久歯と重なって生えているケースがよくあります。特に、犬歯でよく見られ、永久歯は本来あるべき位置に生えることができず、不正咬合となる可能性があります。

犬は歯並びが悪いと症状がある?

一般的には、歯並びが悪いことによる症状はありません

まれに、出血をしたり、食べ物をこぼしたりすることもあります。

犬の噛み合わせの治療法

噛み合わせの悪い犬について、すべての症例で治療が必要なわけではありません。

注目
  • 治療が必要な場合は、歯並びの悪さによってなにかしらの症状(痛みや出血、食べこぼしなど)が出ている場合です。人においては、美容のために歯並びの矯正をすることが多いと思いますが、ワンちゃんではそういったケースはほぼありません。

なにかしらの症状が出ている場合には、抜歯や歯の切断などが方法としてあります。歯を切断するときは、歯髄が露出しないように注意をして行います。

こーくん
こーくん

歯科治療専門の動物病院においては、矯正をしているところもありますよ。矯正は、コンポジットレジンと呼ばれる、粘土のようなものを使用したり、エラスティックチェーンというゴムを使用し、動かす場合があります。

乳歯遺残については、抜歯術を行うことが通常です。一般的は、去勢や避妊手術にて麻酔をかける際に、同時に行うことが多いです。

そのため、6カ月齢~1歳齢程度での抜歯となります。

犬の不正咬合の予防はできる?

噛み合わせの良し悪しの予防はできません

ただ、「乳歯が残っていないか?」の確認を行い、残っている場合には抜いてあげることはできます。

乳歯の抜歯時期は、上記でお伝えした通り、去勢や避妊手術と行うことが多いです。

ただし、これらの手術を行わない場合には、『乳歯が抜けるかどうか?』1歳齢程度まで様子を見て、残ってしまう場合には、麻酔をかけて除去をします。

時期や方法については、主治医の先生にご確認くださいね。

噛み合わせの良し悪しに関わらず、歯みがきは大切!

噛み合わせが悪いからと言って、歯周病になりやすいといったことは特にないですが、正常な状態と同じように、歯みがきをすることは重要です。

とはいっても、ワンちゃんの歯みがきは難しく、できないことが多いです。

注目
  • 上手にやるためのポイントとしては、いきなり歯ブラシを使わないことです。

まずは、口周りを触ることに慣れさせ、徐々に指や歯磨きシートを口の中にいられるよう、トレーニングをしてみましょう。

慣れてきたら歯ブラシを用いますが、こちらもまずは顔回りにあてることに慣れさせて、少しずつ行っていきましょう。

なお、犬の歯垢は3日で歯石に変わりますので、3日間かけて、口腔内全体をみがけるようにできるといいですね。

「今日は右側だけ!」

「今日は前歯だけ!」

など、3日かけて歯全体のクリーニングができるようにしましょう。

こーくん
こーくん

また、上手に歯みがきができた場合には、ほめてあげるようにしましょうね!歯みがき後におやつをあげても大丈夫ですよ♪

【まとめ】犬の噛み合わせに問題あり?知っておきたい原因と解決策

愛犬の噛み合わせについて、乳歯が残っている、また、痛みや食べこぼしなどの症状がある場合には、抜歯や歯の切断を行う必要があります。

不正咬合であっても、症状がない場合には、特に治療をしないケースも多いです。

噛み合わせがよくない、歯並びが悪いといった場合でも、歯周病のリスクは変わりません。

毎日歯みがきを行い、きれいな歯を維持するようにしましょうね!

参考資料
  • 渡邊一弘,犬と猫の臨床歯科,interzoo,2015, p11
PAGE TOP